野外イベントだったからこそ鮮烈に残った記憶

私は普段どちらかといえばインドア派で、特に休日ともなると、なかなか好んで外に出ようという気にはなりません。
やっぱり休日はのんびりと過ごしたいですし、何も外に出てせわしなく動き回らなくてもいいだろうと考えてしまうからです。
そんな超インドア派な私にも、野外イベントだからこそ鮮烈に残ったと思える記憶があります。
それは私がまだ高校生のときのことです。
友人からとあるアーティストのライブに誘われ、私はその友人と共にライブ会場を目指していました。
正直そこまで好きなアーティストでもなかったですし、行きの電車の中で、すでに私の心はやや曇り空になっていました。
そんな気持ちが天に伝わった…とは思いませんが、電車が目的地に着くころには、いつ雨が降ってもおかしくないような天候になっていたのです。
普段であればライブでも天候などは全く気にしないのですが、その日はとても気になっていました。
なぜなら、屋外で行われるライブだったからです。
観客を数万人集めての野外イベントは、私も初めての体験でした。
会場に着いても、周囲からは天候を不安視する会話がずっと聞こえてきました。
私も友人とそんな会話を交わしながらふと空を見上げていると、ついにぽつぽつと雨粒が頬に当たり始めたのです。
そんな天候が影響したのかは定かではありませんが、ライブは当初の予定から二十分遅れでようやく幕を開けました。
私も、そしておそらく友人もずっと雨が気になっていたのですが、いざライブが始まってしまうと、熱狂の中でそんなことも忘れていきました。
しかしそんな野外イベントも終盤に差し掛かったころ、雨脚はいよいよ強くなり、会場にいる全ての人たちが、それを意識せずにはいられない状況に陥ります。
そのとき、ステージのアーティストがこう言ったのです。
「みんな、雨で申し訳ない。でもこの雨音に負けないぐらい、デッカイ声で歌うから!」
その直後、雨音は歌声をかき消すぐらい大きなものになりました。
しかしそれでも、私は熱狂していました。
激しい雨が降っていたからこそ、そして野外イベントだったからこそ、今でもその記憶は鮮烈に私の中に残っているのです。

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